華やかに見えがちなアパレル業界。いざ飛び込んでみると在庫管理やクリンリネスなど、意外と地味な作業も多く、そのギャップから異業種への転職を考える人もとても多いです。
その中でも人気の職種はやはり事務職。
将来を考えて、子育てしながらも働きやすい土日休みの事務職へジョブチェンジしようと考え、会社を辞めていくスタッフを何人も見てきました。
実際にアパレルから事務職への転職は簡単なものなのでしょうか?
今回は一例として、アパレルのエリアマネージャーから事務職への転職に成功した私の友人や、後輩を例に、アパレル業界から事務職への転職体験談を紹介します。
Contents
アパレルのエリアマネージャーから事務職へ。友人Aの転職体験談
まずはじめに、私の友人Aの転職体験談を紹介します。
友人A子は現在34歳。
32歳の時に10年勤めたアパレル企業から異業種へと転職しました。
退職前は複数の店舗を統括するエリアマネージャー。
会社の規模から言っても、出世コースに乗っていたスタッフでした。
仕事は順調だったものの、「販売員の仕事をこのまま続けても良いのか」と悩むようになり、仕事をしながら毎日自問自答したそうです。そしていつしか、毎日仕事へ行くのが億劫になってしまいました。
また、土日に休みが取れないのもストレスに感じるようになり、土日に休めて長く働けそうな事務職へ憧れるように。
思い切って退職を決意します。
パソコンのスキルがほとんどなかったため学校へ通う
事務職へ転職しようと思ったものの、新卒からアパレル業界で働いてきたため、パソコンのスキルはほぼ皆無。
仕事で使っていた、エクセルの入力やメールをやり取り程度しかできませんでした。
このままではさすがに事務職への転職は難しいと思い、思い切ってパソコンを基礎が学べる学校へ通うことに。
退職後はハローワークで紹介してもらった、失業保険をもらいながら通える学校へ入学することにしました。
退職後学校へ通う場合は、ハローワークで紹介している職業訓練校がおすすめ。
パソコンの基礎知識から、WEB関連、福祉・医療、経理などさまざまな職種の基礎知識を身に着けられる学校へ無料で通うことができます。
もちろんその期間は失業保険の受給もでき、卒業時には就職活動のサポートも行ってくれます。
転職活動開始。事務員の応募倍率が100倍!?
学校へ半年間通いパソコンの基礎知識は身につけたものの、転職活動をはじめて見ると、事務員の倍率が異常に高いことに驚きました。
1名しか採用枠のない求人に対して、100名以上の応募があることも珍しくありません。
もちろんその100名の中には実務経験のある経験者も多く、異業種から転職の自分が受かる気がまったくしませんでした。
心が折れそうになりながらも、20社ほど応募しながら転職活動を根気よく続けました。
無事に内定をゲット!でも年収は・・・
3ヶ月の転職活動で、運良く1社内定をもらうことができました。
内定先は、通販事業を行う会社の事務職。
アパレル販売経験のある女性を募集していたため、私の過去の接客経験をアピールすることでなんとか内定をいただくことができました。
しかし、年収は前職から比べると80万円近くダウン。
未経験のため、初任給からのスタートです。
またはじめはアルバイトからの採用で、試用期間後に正社員として登用するかを判断するとのこと。
今までのキャリアから考えると、正直生活的にも厳しい内容でした。
アパレル業界から転職して変わったこと
アパレル業界から転職をして変わったことは、やはり土日祝日を休めることが大きいです。
毎日決まった時間に出社するので、生活リズムが安定しました。
あとは男性社員が多いのも、とても新鮮です。(笑)
最初のうちは1日座りっぱなしで仕事をすることに慣れず午後にはウトウト眠くなることもありましたが、今はバリバリ楽しく働くことができています。
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販売員から事務職への長い道のり:後輩Bの場合
続いて、販売員から事務職へ転職をした後輩B子の場合。
短大を卒業後アルバイトでアパレル企業へ入社したB子。
まだ26歳と若いですが、事務職への転職はとても苦労しているようでした。
アパレル業界を辞めた理由は昇格できなかったから
私がアパレル業界を辞めた理由は、正社員へ昇格できなかったからです。
短大まで出て、フリーターとしてアルバイトを続けているのは家族にも申し訳ないと思い、2度社員昇格試験を受けたものの、残念ながら不合格に。
アパレルの仕事はとても好きでしたが、このままアルバイトで働き続けるのは厳しいと思い、正社員として働ける仕事を考えるようになりました。
派遣社員としてアパレル企業の本社勤務へ
職歴がほとんどない私が、事務職として働くには派遣しかないと思い、派遣会社に登録しました。
この時利用したのはリクルートスタッフィングです。
派遣会社に登録後すぐにいくつかの案件を紹介してもらい、アパレル企業で本社の事務職として働くことになりました。
派遣登録から仕事をはじめるまでに1ヶ月ほどしかかからなかったと思います。
本当にスピーディーに仕事が決まり驚きました。
ミスを連発して最初の派遣先を最短で解雇される
実際に派遣先に配属されると、ミスを連発してしまい毎日先輩や上司に怒られる日々。
事務職は、接客の仕事と違い正確さを求められます。
にも関わらず数字を打ち間違えたり、頼まれた仕事ができていなかったりと、ケアレスミスばかりで派遣先の企業に迷惑をかけてしまいました。
結果、派遣先からは契約延長をしてもらえずに、最短期間で解雇に。
派遣は、1ヶ月・3ヶ月・半年等の契約期間が設けられていて、期間の延長がされないと働くことができません。
気軽に選んだ派遣社員の仕事でしたが、アルバイトではなく正社員と同じくらい責任感を持って取り組まなければならないと感じました。
挫折から再度派遣へ。紹介予定派遣として内定が決まる
最初の会社の契約を打ち切られ、ショックが大きい中リクルートスタッフィングさんと再度面談に。
仕事の仕方などを改めて教えてもらいながら、正社員として働ける紹介予定派遣を紹介してもらえることになりました。
紹介予定派遣とは一定期間派遣で働いてみて、問題がなければ正社員として登用してもらえる求人のことです。
その派遣先で一生懸命働いて仕事を覚えたら、正社員として働ける!と思い、前回の会社の反省を踏まえて頑張った結果、なんとか正社員として正式採用されることに!
業界は憧れていたアパレル企業ではありませんが、念願の正社員として安定して働くことができました。
アパレル販売員から事務員への転職は難しい
アパレル企業の管理職から事務職へ転職したA子と、アルバイトから正社員として事務職へ転職したB子。
2人の転職体験談を紹介してみましたが、どちらもアパレル販売員から事務職の転職は難しいと感じてもらえたと思います。
アパレル販売員から事務職へ転職したいと思う人はとても多いです。
反面、なかなか転職がうまく行かず、結局アパレルの販売員へ戻ってきてしまう人もとても多いです。
アパレル販売員から事務職へ転職できない理由の多くは圧倒的にスキルが不足していること。
販売職と事務員は仕事内容が全く異なるので、仕方がないことですが、これらのスキルを補うアピールをすることが重要です。
事務職への転職が難しい理由
- パソコンスキルがない
- 実務経験がない
- ビジネススキルがない(と思われがち)
事務職はMicrosoft office(エクセル、ワード、パワーポイントなど)が使えることは必須条件です。
その上、名刺交換やお茶出し、電話応対などの基本的なビジネスマナーもないと思われがちのため、どうしてもスキル不足が目立ってしまいます。
また、事務職自体が人気職種のため、応募倍率が100倍・200倍は当たり前の世界です。
応募者の中には、もちろん経験者も多いですし、その中で勝ち残って行くことは至難の業。
正直正攻法では、書類選考を通過するのも難しいと言って良いでしょう。
アパレル販売員から事務職へ転職するコツ
転職のハードルが高いアパレル販売員から事務職への転職ですが、2人の転職体験談から見えてきた、転職するコツをまとめてみました。
- 最低限のパソコンスキルを身につける
パソコンスキルは最低限必要です。
独学で勉強するか、難しい場合は学校へ通うことも視野にいれましょう。 - 派遣会社の紹介予定派遣を利用する
多くの派遣会社では、正社員として雇用することを前提とした求人が多くあります。
派遣社員なら正社員よりも雇用されやすく、まじめに働けば数ヵ月後には正社員として正式採用されるチャンスも。 - 接客経験を活かせる業界を狙う
アパレルの接客経験を活かせる業界はたくさんあります。
そのような業界であれば、未経験であっても転職のハードルはとても低くなる傾向に。
たとえば美容や通販業界などは、アパレル業界の経験者を優遇する傾向が多く見られ、転職する人はとても多いです。
異業種への転職はプロの力を借りる
2人の体験談を通して、異業種への転職が難しいことがわかったと思います。
また、アルバイトや新卒から長くアパレル業界で働いてきた方の場合は、転職活動自体もよくわからない方も多いのではないでしょうか。
その場合は、派遣会社や転職エージェントなどの転職のプロの力を借りることをおすすめします。
派遣会社や転職エージェントは、利用者を就職させることで利益を得ているため、あなたのスキルにあった適切な求人を紹介してくれます。また、受かるために履歴書や職務経歴書の添削指導、面接対策なども行ってくれます。
事務職への転職を考えている場合は、総合転職エージェントを利用しましょう。
アパレル業界問わず、さまざまな職種の求人を保有しているため、未経験でもチャレンジ可能な求人を保有している可能性が高いです。
私が実際に利用した総合転職エージェントの中では、マイナビエージェントがおすすめです。
比較的若いキャリアの方へのサポートに定評があり、じっくりと転職活動のサポートを行ってくれますよ。
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まずは一度、プロに事務職への転職が現実的に可能なのか相談してみましょう。
現在のキャリアやスキルから、あなたに最適な業界や求人を紹介してくれますよ。